曲ごとの実践結果 Results of Each Song

 2005年6月から継続的に実践してきました。これまでの実践を振り返り、授業で扱った学年・時期・方法・回数・そして実践しての感想をまとめておきます。実践のご参考になれば...。

曲 / アーティスト

時期

方法

回数

曲の特徴・生徒の反応




Change The World / Eric Clapton

6月

歌う

 テンポは速くはないが、少し男臭い感じがする歌である。この当時、ちょうどテレビのコマーシャルで流れていたため、知っている生徒が多かった。3学年向け初めての歌のせいか、歌いにくい歌だったのか、声が小さかった。

We Are The World / USA for Africa

6月

歌う

 たまたま音楽の授業で全員で歌い、気に入った曲だという声を生かして採用。途中から「自由な位置にしてみたら声が出るかも?」という生徒のアドバイスから場所を自由にしたところ、大声で歌うようになった。

Dancing Queen / ABBA

7月

歌う

 テンポが良く歌いやすい曲である。発音もきれい。生徒たちはノリノリで体を揺らしながら、気持ちよさそうに歌っていた。

I Still Haven't Found What I'm Looking For / U2

7月

文法

 現在完了形(完了用法)の学習活動にて使用。現在完了形の完了用法は、日常生活の中からよい例文を探すのが大変なので、洋楽の導入は効果的だと実感した曲。

That's What Friends Are For / Dionne Warwick & Friends

7月

歌う

 かなりスローな曲であり、友情の深さを歌い上げる曲なので、大人っぽい学級向け。元気のいい曲が好きな学級には向かないかもしれない。歌ったのは夏休み前の4時間だけだった。

I Want It That Way / Backstreet Boys

8月

歌う

 同僚の先生からの推薦曲。メロディがとてもきれいで、歌いやすい。生徒たちはこの曲がとても気に入ったようで、生き生きと歌っていた。9月に入って別の曲になるのを惜しがるほどで、アンケートなどでもこの曲のリクエストが多かった。

Hard to Say I'm Sorry / Chicago

9月

文法/歌う

 It 〜 to不定詞の学習活動にて使用。とてもきれいなメロディのため、文型定着の願いも込めて歌わせ続けたもの。男子には声が高過ぎ、1オクターブ下を歌っている生徒が多かった。

Making Love Out of Nothing At All / Air Supply

10月

文法

 疑問詞+to不定詞の学習活動ににて使用。how to/what toだけでなくwhen to/where toなどいろいろな疑問詞が14回も出てくるため、文型の定着のためには効果的な曲である。テンポも適切でメロディもたいへん美しいのであるが、生徒に歌わせるためには早口すぎるのが残念(教師でも辛い)。

I Need to Be in Love / Carpenters

10月

歌う

 曲としてはスローな部類にはいるが、発音がとてもきれいで歌いやすい。カーペンターズの曲は、やっぱり発音がとてもいい。接触節、関係代名詞、現在完了形などいろいろな文法が含まれているほか、It is 〜 to不定詞定着のための曲としても適している。

Imagine / John Lennon

11月

歌う

 大変スローテンポな曲であり、3学年にとっては未習語句も少なく、知っている生徒も多いためにすぐ覚えて歌っていた。教科書とは関係がなかったが、歌詞の意味チェックの中で反戦・飢餓問題などを扱った。

Crazy Little Thing Called Love / Queen

11月

文法

 過去分詞の後置修飾の学習活動にて使用。プリントにカッコ、矢印など理解を助ける記号を記入させた。Queenが大好きな生徒がいるため、あえてこの曲を採用。ただ、残念ながら使用されている過去分詞の種類が少ない。1950年代のロックンロールを彷彿とさせるような曲である。

Last Christmas / Wham!

12月

歌う

 12月のクリスマスシーズン向けに採用。知らない生徒がいないぐらい有名な曲なので、生徒はすぐに歌えるようになった。男子には少しキーが高すぎるが、気持ちよさそうに歌っていた。2年生との差別化を図り、途中からAll I Want for Christmas Is Youに乗り換えた。

Every Breath You Take / Police

12月

文法

1

 接触節の学習活動にて使用。いろいろなパターンの接触節が14回出現するので、文法の定着にはとても適した曲である。惜しいのは、ミュージシャンの歌声があまり明瞭でないこと。聞き取りというよりは、パタンプラクティスの答え合わせに使った方がいいようである。

All I Want for Christmas Is You / Mariah Carey

12月

文法/歌う

6

 接触節の学習活動にて使用。フルコーラスではこれが11回出現する。この時期この曲はテレビなどで盛んに放送されるため、知らない生徒はほとんどいない。歌いこなすために時間がかかると思ったら、さすがは「知っている曲効果」、導入2回目から大声で歌い、教える側が驚かされた。

I Wanna Dance with Somebody / Whitney Houson

12月

文法

1

 関係代名詞(主格)の学習活動にて使用。関係代名詞whoが3回、thatも2回出てきて、テンポもよく、歌うのにも使えそうな曲である。ダウンロードした曲なので訳詞がなかったため、ALTの助けを借りて日本語訳にチャレンジした。

The Sound of Scilence / Simon & Garfunkel

12月

文法

1

 現在分詞・接触節・関係代名詞(主格・目的格)など、いろいろな後置修飾が合計11回出てくるので、後置修飾の復習にとても適している。歌う曲として扱うことももちろん可能である。

More Than Words / Extreme

1月

歌う

6

 ギター1本で伴奏する、歌っていて気持ちのいい曲である。曲そのものに合わせて歌うより、可能であれば教師か生徒のギター伴奏にて歌ってみたいと感じさせる。キーはかなり高めなので、男子は1オクターブ下を歌うか、裏声が要求される。

Hotel California / Eagles

1月

選択

1

 受験対策のため授業がマンネリ化してきたので、聞き取りテストの一環として実施。6分ほどの長い曲の歌詞に35もの選択肢を設定してプリントを作り、2回聞かせて「歌ったと思われる単語」を選ばせた。一番できた生徒で29個正解した。

My Love / Westlife

2月

歌う

7

 接触節が6回、主格の関係代名詞thatも3回出てくる。メロディがとても美しく、この曲を知っている生徒は一人もいなかったが、すぐに気に入って大声で歌っていた。

I Don't Want to Miss A Thing / Aerosmith

2月

歌う

8

 生徒のリクエスト曲として採用した曲。節回しが難解で、ALTとも相談して聞かせるだけで終わろうとしたところ、「私たちは歌えます!」という生徒の強い希望があった。実際に歌わせてみたところ、驚くほど元気に歌った。




Yesterday Once More / Carpenters

6月

文法/歌う

 Be動詞過去の復習に役立つ曲として使用。スローテンポで美しいメロディをもち、とても聞き取りやすい。カーペンターズの発音もすばらしく、できるだけ真似をさせて歌わせた。

Take Me Home, Country Roads / John Denver

7月

歌う

 テンポが適切でキーもあまり幅広くないためにとても歌いやすい曲である。歌詞から情景を思い浮かべさせながら練習したところ、気持ちよく歌っていた。

I Just Called to Say I Love You / Stevie Wonder

7月

文法

 to不定詞の目的格の学習活動にて使用。西洋における1年間の諸行事を歌い込んでいるので、文化面でも素晴らしい教材になる。2学年はアップテンポの曲を好む学級だったので、歌わせることはしなかった。

I Want to Hold Your Hand / The Beatles

7月

歌う

 アップテンポでノリのいい曲。want toの復習、複文、接続詞when、willなど、2学年で学ぶ文法項目がふんだんに盛り込まれているため、何度でも使える。

Help ! / The Beatles

8月

歌う

10

 ビートルズの曲が続いたが、テンポのいい曲なので生徒はとても元気よく歌った。本校2年生に2学期末に行ったアンケート調査では、この曲が「もう一度歌いたい曲」のトップだった。

I Like Chopin / Gazebo

9月

歌う

 9月の曲として、Help !とは逆のスローテンポな曲を歌わせようとしたところ、すごく不評だった。「暗い曲だ」とのこと。出だしから短調のピアノが流れるのでそう聞こえるかもしれないが、メロディとしてはとても美しい曲だと思う。指導者と生徒との年齢ギャップ(好みのギャップ?)を実感した曲だった。

Stand by Me / Ben E. King

9月

歌う

 上記の曲のピンチヒッターとして用意した曲。1曲目を蹴られると思わなかったため、選ぶ時間をほとんどかけられなかった。1960年代の古い曲であまり楽しそうに歌っていなかったので、5回で打ち切った。

You Can't Hurry Love / Phil Collins

10月

文法/歌う

10

 can'tが5回、willが3回、mustが3回、have toが1回と、種々の助動詞がバラバラと出てくる、とてもノリのいい曲。テンポはかなり速いが、歌えるようになるとかなりかっこいい感じがする曲らしい。回数を重ねるたびに生徒はうまく歌えるようになっていった。フィルコリンズのキーはかなり高い。

Change The World / Eric Clapton

11月

文法/歌う

 接続詞ifが11回も出現する曲。実はこの中には仮定法過去(if I could)が8回含まれるが、中学校では区別せずに「〜だったらいいのにな」ぐらいの意味で教えていいと考えている。3年生にて「歌える!」と確信した曲だったので、自信を持って指導することができた。

The Christmas Song / Air Supply

12月

歌う

 12月のクリスマスソング候補として聞かせたところ、生徒は「ゆっくり過ぎる」というので使用しなかった。歌詞の中にはクリスマスで用いられるたくさんの単語が出てくるため、内容読解として用いれば良かったかもしれない。

Last Christmas / Wham!

12月

歌う

10

 3年生と同時進行で歌った曲。さすがにこちらは有名でメロディがきれいな曲だけあって生徒の受けがよく、すぐに大声で歌い始めた。キーはかなり高い。

Love / John Lennon

12月

文法

1

 動名詞の学習活動にて使用。"Love is ...ing, ...ing love"のように非常にシンプルな歌詞でありながら、7回も動名詞が出てくる。

Freedom / Wham!

1月

歌う

6

 本校では清掃時にかかっている曲なので、生徒は全員なじみ深かった。明るくアップテンポな曲なので、元気のいい学級で歌う曲として適している。間奏が少し長すぎるので、中だるみしやすい。

Arthur’s Theme / Christopher Cross

2月

歌う

7

 テンポもまあまあ、曲想としてもニューヨーク生活の一部を読み込んだ明るい曲であるが、なぜか生徒はあまり喜んで歌わなかった。

Twilight / Electric Light Orchestra

2月

歌う

7

 かなりテンポの速い曲であり、大人でも難しいような早口の部分がある。伴奏が素晴らしく、生徒はノリノリで歌った。ドラマ「電車男」の劇中歌に使用されていたので、初めて聞いたときにニヤッとした生徒が何人か見られた。



Sing / Carpenters

6月

歌う

12

 1年生で初めて、洋楽として歌わせた曲。ちょっと子どもっぽい感じがする曲ではあるが、中1の1学期あたりはここらへんがちょうど良かったと思う。まじめで、何にでも一生懸命な1年生、この曲も大声で歌っていた。特に最後の Just sing, sing a song. の部分、女子はもちろんだが、この時期は声変わりしていないので男子でも高音がきれいに出る。

It's A Small World / Disney Song

7月

歌う

 思ったより知っている生徒が少なくて驚いたが、修学旅行ではきっと出会うことになるだろうと思う曲。知らない単語が多いため、1年生はどうしても読み方を教えるとカタカナを振りたがる。あまりカタカナに頼りすぎると、速い曲に出会ったときについて行けないことになるため、読めるようになったら消させる指導が必要である。

Hello, Goodbye / The Beatles

7月

歌う

 本来であれば、あいさつを教える4月あたりにでも使いたい曲である。同じ単語のくりかえしが多く、メロディも覚えやすい。残念ながら導入が遅れ、夏休み前の2回しか歌わせることができなかった。

Beautiful Sunday / Daniel Boone

8月

歌う

 ずっと昔の朝のテレビで毎日かかっていた、とても有名な曲であるが、生徒はこの曲をほとんど知らずたいへん驚いた。テンポも適切で、8月の晴天に合わせて気持ちよく歌わせることができた。

Melody Fair / Bee Gees

9月

文法/歌う

 疑問詞whoの学習活動にて使用。本校の1年生のだれもこの曲を知らなかった。古い映画だが「小さな恋のメロディ」という名作の主題歌である。歌詞は発音しやすいものなので、すぐに歌えるようになった。

She Loves You / The Beatles

10月

文法/歌う

 三人称単数現在の学習活動にて使用。三単現は「ある人のうわさ話をするとき使う形」と教えているので、「彼女が君のことを好きなんだって!」というフレーズはとても都合がよい。ちなみに、曲の中に三単現の動詞は16回出現する。洋楽を歌うのに慣れてくると、これぐらい速いテンポの曲も歌いこなせるようになる。

Please Mr. Postman / Carpenters

11月

歌う

 アップテンポでノリがよく、とても歌いやすい曲。キーの高さも中学1年にはちょうどいい。バックコーラスに惑わされがちになるので、少し注意が必要である。

Winter Wonderland / Air Supply

12月

歌う

11

 クリスマスシーズン向けに使用。偶然、テレビコマーシャルで流れていたので、生徒はすんなりと歌い始めることができた。キーの高さは声変わりが終わった男子には少しきついが、1オクターブ下ならば歌うのは難しくない。

Sailing / Rod Stewart

1月

歌う/文法

6

 シンプルで短い歌詞の中に、現在進行形が14回も出現する。この時期になると、中学1年生でも歌えるようになるまで3時間もかからなかった。I am sailing. / I am flying.など、現在進行形で描写される情景を想像させながら歌わせたい曲である。

Annie’s Song / John Denver

2月

歌う

7

 「〜のような」という意味を表すlikeが10回出現する。暖かい感じがするワルツ調のカントリーミュージックである。

Let It Be / The Beatles

2月

歌う

7

 本校では清掃時にかかっている曲なので、生徒のなじみは深い。そのせいなのか、曲が気に入ったのか、音読練習の次の時間からものすごく大声で歌った。

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