10月19日(木) パームハーバー高校

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 いよいよ学校訪問の最終日、午前中はパームハーバーユニバーシティ高校を訪問しました。


出発前....

 テレビでは、道路の渋滞のようす、この日の天気予報、ブッシュ大統領候補に対する世論調査、テロリストによる軍艦の爆破事件のニュース、そしてプロフットボールのこの日の組み合わせなどが放送されていました。


学校の概要(メモから)ノートのコピーを送ってくださったN.Y.先生に、またまた感謝いたします。

 創立は1996年、9年生〜12年生までの約2,300人の生徒が通い、約180人の職員が勤務するマンモス校です。普通教室数は102、特別教室が4つあります。学区が縦長で、人口が増えつつある北側に高校がなかったために設立された新しい公立の高等学校であるため、校舎や敷地はとても広々としていて、敷地には何本ものヤシの木が生えていました。ただ校舎そのものは1,600人収容の施設として設計・建設されたため、30ものプレハブ教室を使用せざるを得ない状況のようです。

 Universityという名前が付いていますが、別に大学の付属校ではなく(エスカレーター方式で入学が有利とか、大学の援助があるとかということはない)、ただ単に提携しているのだそうです。夜間はコミュニティスクール、及び南フロリダ大学の特別クラスが開講されています。

 必修教科は社会、数学、理科、英語(アメリカでは国語)、体育、外国語があり、選択科目としては美術、音楽、テクノロジーがあり、授業は一日6時間です。1時間の授業は50分で、移動時間が6分も(!)ありました。プレハブ教室に移動するためには時間がかかるため、通常より少し長くしているようです。2年前まで日本語のクラスがあったとのことですが、州からの補助が止まって閉講せざるを得なかったとのことでした。

 特別プログラムとして、IB(International Baccalaureate=大学進学コース)、介護医療センター(Center fof Wellness and Medical)、心身に障害を持つ生徒のためのプログラムなどがあります。

 この日は、午後からハイスクールのフットボールの試合があるとのことで、応援のために生徒はほとんど派手な衣装を着て登校し、学習していました。もともと服装は自由なのに加え、かなり厚化粧をしている生徒もたくさんいました。

 Palm Harbor University High Schoolのホームページへ


 これが学校の敷地です。よく設計されていて、歩き回るだけで南国気分が味わえます。また、校舎のすぐ隣では何台かの自動車がのろのろと走り回っていました。なんでも、自動車免許を取得するための授業もあるということで、希望者は早朝から練習しているとのこと。国土が日本の25倍もあり、新幹線のような高速交通手段がない(飛行機はあるか...)アメリカでは、自動車なしの生活は考えられないのです。


 校舎に入ると、広いカフェテリアや数多くの大会で受賞したトロフィーなどが目につきました。たった5年の新設校なのに...。いたるところにコンピュータ(しかもiMacのスペシャルエディション)があり、とてもさわってみたい衝動に駆られました。


 この教室では、まさに日本の学校現場で始まったばかりの「総合的な学習」のようなものをやっていました。生徒一人ひとりが何について調べるかテーマを決め、そのテーマをウェビング(関連する内容を連想すること)し、インターネットでそれらについて調べ、パワーポイントでプレゼンテーションをするための書類を作成するという流れでした。使っている機材やソフトが私にとって見慣れたものであったため、とても親近感を感じることができました。


 こちらは何の授業だったか忘れましたが、ある課題について話し合いをしながら授業が進められていました。どの生徒も自分の意見を持ち、堂々と述べている姿を見て「アメリカの子供たちだなあ」と感じました。


 特別プログラムの一つとして、介護医療センターというのがあるそうです。進学コースもそうですが、この医療コースというのも中学からの成績が優秀でなければ受講することができない、高度な知識を身につけるものであるとのことです。定員が100人と決まっていて、現在300人の生徒が待っている状態だそうですから、かなり人気があるのでしょう。ベッドには高齢者のマネキン人形があり、介護訓練を実際に行うことができるようになっていました。それでも、ここは最低限の知識を得る場所でしかなく、国家試験を受験するためには病院・老人ホームなどで4年間、100時間の実習をしなければならないとのことです。右の写真は、歯科の学習をする教室です。とにかく本格的です。


 体育の授業が始まるところです。残念ながら、時間がなくて彼らの元気に飛び回る姿を見ることはできませんでした。


 コンピュータでCAD(設計)をしているところです。3Dを扱えるソフトを使って建築物や機械部品の設計の練習をしていました。これと、工作機械が連動しているといいますから驚きです。


 私たちを案内してくれた、優秀な生徒たちです。特に、私の右にいる女の子はIB(進学コース)に在籍しているということで、ものすごく頭がいい生徒なようです。この生徒は、私たちの案内が終わってから、私が持参した日本のいろいろな写真(学校やら町の様子やら)を見せに、担任の先生の所に連れて行ってくれました。


 11:30ごろ、授業が終わって生徒たちはカフェテリアや外で(!)昼食を取り始めました。10月中旬といっても暑くて日差しが強く、外に出た生徒たちは建物の陰で食べていました。とても平和で、授業などは厳しいながらも、のんびりした雰囲気のあるすてきな学校でした。


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