10月24日(火)〜25日(水) ロサンゼルス市内視察

1024×768ドット以上でご覧になることをおすすめします。


 朝、ホテル内の日本食レストラン「千羽鶴」で朝食をとりました。日本人客が主体のホテルだけあって、内容も純和風でした。ウェイターが中東の人だったこと以外、かかっている音楽も外の景色も全て日本風。右の写真はダウンタウンの高層ビルの、朝の様子です。昨日の写真とはまた、雰囲気がちがいますね。


 バスに乗って、LAの市内視察(観光)にでかけました。最初に行ったのは、「ロサンゼルス発祥の地」といわれる所。この十字架には、「EL PUEBLO DE NUESTRA SENORA LA REINA DE LOS ANGELES FELIPE DE NEVE SEPTEMBER FOURTH 1781」と書かれています。意味は分かりませんが、たしかにLos Angelesという名前と、1781年9月4日という日付が確認できました。右の写真は、その近くの広場に立っていた、大きな木です。なお、この十字架の奥にはメキシコ人の経営する市場が建ち並び、革製品などがたくさん売られていました。この中のあるお店で、店員に話しかけてみました。「スペイン語で『こんにちは』は何て言うの?」すると、彼女は「Ola !」と教えてくれました。結局、私はこのお店でもうすぐ2歳になる娘のために、ものすーごくかわいいドレスを買いました。値段がついてなかったので「いくら?」と聞いたら「20.5ドル+tax(税)です」という返事だったので、思い切って「Tax入れて20ドル!」と言ったら、しぶしぶOK。こういう場所では、言ってみるもんです。この後、「移民博物館」を訪問しました。写真撮影が禁止されていたので画像はありませんが、アメリカ合衆国が成立してからカリフォルニアに移住した日本人が、苦労して今の「リトル東京」を盛り上げていったようす、戦争中に敵国人として強制収容所に入れられたときのようすなど、感慨深いものがありました。


 それから、一路UCLAへと向かいました。バスの中から激写してしまいましたが、車線数の多さ、それにもかかわらず込み合う自動車の数に舌を巻いていました。「片側6車線もあるのに渋滞するか?」というかんじです。


 そのうち、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に到着しました。数多くのノーベル賞受賞者を輩出している、アメリカでもけっこう有名な大学で、私も留学時代にここを訪問しました。あの頃とは比べものにならないほど立派な生協があり、まるでデパートのようでした。どうしてもMac関係の方に足が向いてしまうのですが、そこで動画処理ソフトのFinal Cut Proが$499、DTPソフトのPageMaker 6.5 Plusが$279(学割価格)、GoLive 4.0/5.0+PhotoShop 5.5+Illustrator 8.0/9.0+LiveMotionがセットになったWeb Collectionが$399(学割価格)、動画処理ソフトのStudio Proが$449(学割価格)で売られていました。英語バージョンではありますが、どれも日本では信じられないぐらい安価でした。

*(ガイドのSさんの説明から)最近のアメリカの学校では、優秀な生徒はマグネットスクールに通い、もっと優秀な生徒はGifted Schoolに通います。

*最近は、担任の先生から何か急いで連絡したいことや親に聞きたいことがあるときには、親の方にe-mailがくる学校もあるそうです。

*自分の子供が英語を急速にマスターしているのを見て、Sさんは「フォニックス(Phonics)が発音には一番大切だ」と感じているそうです。

*日本の人々は自由と自分勝手をはき違えやすいが、アメリカ人は自由を得るためには自分を殺してでも努力するとか。それぐらい、自由は重たい、大変なものだそうです。

*ハロウィンが近いが、例の毒入りお菓子事件などもあり、最近のハロウィンには子供のグループに必ず大人がついて回らなければならなくなったそうです。これも一応、自由のための代償?

*アメリカには太った人がとても多いが、金持ちは太らないとか。それは、お金をかけてエクササイズをし、いいものを食べるからだそうです。ちなみに、アメリカで売られている肉には、牛を早く太らせるための成分が入っているそうです。


 次に、ビバリーヒルズに向かいました。留学時代に来たときも「金持ちの住む地域」ということで、そこら辺の道路をロールスロイスやメルセデスなどが我が物顔に走っていましたっけ。途中、スパニッシュレストランのおいしいスパゲティを昼食としました。

*特に金持ちなのが(商売上手の)ユダヤ系の人たちだそうで、住宅地域にはプール付きは普通、もう少し金持ちだと庭にテニスコートを持ち、果ては9ホールのゴルフ場を庭に持っている家もあるそうです。

*アメリカのハイウェイはほとんど無料ですが、その経費はガソリン代から出ているということです。それでも、日本の約3分の1の値段。そういえば、日本では確か53円80銭でしたっけ、税金分? ガソリンそのものの値段にこの金額が上乗せされ、その合計に5%の消費税がかかるんですよね。「二重税」って、いいの?

*走っている途中、犬の学校を見かけました。3ヶ月で$400ぐらいも支払って、家族など親しい人以外に対してじゃれない、ほえないという躾をするのだそうです。うっかりして、犬が幼児にじゃれかかって怪我でもさせるとすぐ裁判沙汰になる国ならでは、です。

*フロリダでは、道路を走る車のナンバープレートが前についていないことが多かったのですが、カリフォルニアでは必ず前についていました。州によって運転ルールも多少ちがいます。


 サンタモニカビーチに到着。フロリダの海岸とはちがって砂は真っ白ではありませんでしたが、まぶしいほどに降り注ぐ太陽とヤシの木々は南国気分を思い出させてくれました。


 その後、マリーナ=デル=レイ(王様の波止場)という、レイ(王様)気分を味わう人々の所有するプレジャーボートが何千隻も係留されている港へ向かいました。そこでは、ペリカンがのんびりと水遊びをしていました。

*ガイドのSさんのお子さんは、土曜日だけ(日本語や日本の文化を学ぶために)日本人学校に通うそうです。そこでは、お正月やひなまつりなどの日本の伝統行事もきちんとお祝いしているんだそうです。

*アメリカでは、アニメやセサミストリートなど子供番組では、白人・黒人・黄色人種などなるべく人種を混ぜたキャラクターを登場させる必要があるとか。そうしないと、(特に白人のみを登場させると)人種差別として批判を受けてしまうのだそうです。そういえば、セサミストリートでは、車椅子の子供なんかがまったく普通に登場しているのもよく見かけます。

*アメリカでは、子供にもきちんと人権を認め、小さな子供でも自分の意見を持ち、発言すべき時はきちんと発言するのだそうです。日本の子供の場合、「わかんなーい」で終わってしまう場合が多いですね。そのため、子供を虐待すると親が逮捕されるそうです(日本でもだんだんそうなってきましたね)。ちなみにカリフォルニアでは「路上に駐車している車の中に、子供を置き去りにして買い物」をしたり、「12歳未満の子供だけで、自宅の留守番をさせる」ことも違法だそうです。

*大人はもちろん、子供でもYes/Noをはっきり言わなければならないアメリカ。その原因は、あちこちの国々からいろいろな習慣を持った人々が集まってできた国家であることから、バックグラウンドがみんな異なり、心で分かり合えないことにあるのではないか、というのはSさんの意見です。日本人同士のような「以心伝心」というのはありえない、言うべきことははっきり言わなければならないというのは、日本人が外国人とつきあう際に心しておくべきことでしょう。

*ロサンゼルスでは、一戸建ての家が大体2,000万円ぐらいで手に入るそうです。それでいてしっかりプールつき、月5,000ぐらいでプールキーパーを雇うのだそうです。やっぱりリッチ。


 時期的に、Duty Free Shop(免税店)に寄っておみやげを買い始める時期になったのはこのあたりです。私はといえば、所属する学校の生徒たちと約束していた「現地の新聞」や、お菓子などを早めに買いあさっていたので、あまり慌てることはありませんでした(一応、海外渡航は5回目でしたし...)。買う人はここぞとばかり買い漁っていたようです。なお、おみやげだと言って同じものを何個(何十個)も買うのは日本固有の習慣で、外国人の多くはこのような買い方はしません。

 ホテルに戻ってから、テレビのチャンネルを撮影しておきました。「たったの」19チャンネル。アメリカでは、日本よりもずっと前からケーブルテレビで多くのチャンネルを楽しんでいました。ニュースをつけたところ、ちょうど日本のニュースをやっていました(カリフォルニアらしい)。その当時のアメリカではテロリストに攻撃された海軍の軍艦についての情報や、アメリカ大統領選挙についてのニュースが飛び交い、いかにも「世界を動かしている国だな」と感じさせるものがありましたが、このとき流れた日本のニュースはといえば、「大黒パーキングエリアで、改造した自動車に積んだ音楽をフルボリュームで鳴らし、それを注意する係員にくってかかっている日本の若者」でした。平和な国で、自分勝手なことをやり、注意する方が悪いとわめきちらす大勢の若者を見て、同じ日本人として「何をやっているんだ、恥ずかしい!」と感じました。


 夕食を食べに、リトル東京の「櫓(やぐら)一番」という日本食料理店に向かいました。もう、みなさんは和食が恋しくてたまらなかったようです。リトル東京内では、日本から輸入された多くの日本製品が売られています。ほぼ、「何でもある」と言っていいでしょう。驚いたのは「地球の歩き方」という本が売られていたことです。留学時代、アメリカ一周するときにこの本を肌身離さず持ち歩いていました。


 翌日は、「プレイステーション2」が発売されるという、アメリカにとって記念すべき日だったそうです。日本では春か夏には販売が開始されていました。この日はチャイニーズシアターへ行きました。訳せば「中国(人)の劇場」ということになりますが、もともとは大きな中国風の建物で、中は映画館なんだそうです。しかし、ここが有名なのは建物や映画そのものではなく、前庭に有名な俳優の手形や足跡がサイン入りで刻まれているところなのです。ドナルドダックや、アーノルド=シュワルツネッガー、エディ=マーフィを始め、ありとあらゆるアメリカのスターたちがここに手形・足跡を残しているわけです。付近の映画館では、新作のディズニー映画「102」が上映されていたようです。

*朝、バスの中から移民局の建物に並ぶ、長い人の列を見かけました。ガイドさんの説明によると、それはアメリカの永住権を申請するために並んでいるのだそうです。なんでも「永住権」取得後5年経つと、市民権(アメリカ国籍)を得るためのテストを受けられるのだとか。ただし、逮捕歴などの問題が無ければ殆ど「市民権」は取れるのだそうです。「永住権」と「市民権」の実質的な違いについては、「永住権」には選挙権・陪審員の資格がなく、重犯罪などを犯すと国外退去になることもあるとのことです。

*カリフォルニア州では、2000年から自動車運転免許が18歳以上でないと取得できなくなったそうです。以前は、またはほかの多くの州では16歳だったように思うのですが、やはり若すぎるドライバーが問題になりつつあるようです。なお、免許取得にかかる費用はたったの$14(1,500円!)らしいです。そういえば、私も留学中にはミネソタ州のライセンスを取得しました。友人と試験場に出かけ、○×で答える筆記テストに受かると、友人の自家用車を借りて練習し、そのまま実地試験を受け、受かれば免許交付でした。当時で$16(4,000円)でした。

*自家用車のナンバープレートは、自由な7文字を選べるそうです。私なら、迷わずAKIIJAPでしょうか(これについて、Sさん本人から「差別用語でおそらく却下されるだろう」とのご指摘をいただきました)。なお、現在全米で一番多く売れているのはトヨタのカムリだそうです。さらにアメリカでは車検制度がないので、車を買うときはクレジットカードを使って新車を購入し、すぐ運転できるのだとか。ただし、車検がないというのも(車の故障は自分でなんとかするのが当然ということになり)、少し恐いような気もします。

*アメリカの学校では、ボランティアで働く人が多いそうです。「人に認められたい」という気持ちからだ、というのですが、私にはよく理解できませんでした。生徒たちは暇だとギャング化して悪いことをする可能性が高いため、親は責任を持って「子供を暇にしない」ことを考えるそうです。それがお稽古ごとであり、スポーツ少年団のようなスポーツ活動なのだそうです。学区が広いため、徒歩で通学できる生徒は少なく、親が車で送ることが多いとか。しかし、それでは渋滞が激しくなるため、スクールバスの停留所まで送るパターンもよくあるとか。スクールバスを10回利用すると25セントのお菓子をくれるチケットをくれるなど、利用促進の手がちゃんと打たれています。

*カリフォルニアでは、道路やビーチなど、公共の場での飲酒は禁止されているそうです(やれば逮捕!)。「大人がしっかりしているな」という感想を持ちました。


 グリフィス天文台を訪問しました。ここも、留学時代に一人で訪れた場所です。あのときはアリゾナのツーソンにあるキットピーク天文台に行って、あんぐり口を開けていましたっけ。その後、ロッキー山脈をバスで越えてここに来たわけですが、「天文学の最前線」を感じさせたキットピークに比べて、こちらは「教育的」な天文台に感じられたのを覚えています。あのときは気づかなかったのですが、ここからあの有名な「HOLLYWOOD」の看板が山の中腹に見えていました。反対側にはロサンゼルスの町並みが見えました。天文台の中には約20年前と同じような(教育的な)雰囲気で、ハッブル宇宙望遠鏡や立体的な地球儀、本物の金属や気体を使った元素の周期表などが展示されていました。夜、ダウンタウンに帰ってから、またリトル東京内の飲み屋さんで「アメリカ最後の晩餐会」を開きました。飲み物、食べ物、従業員からおしぼりに至るまで、(料金以外は)あらゆるものが日本的で、アメリカにいるのを忘れるほどでした。「やらないようにしよう」と言われてきた「お酌」も、ここでは完全に解禁。なんか、ほっとしました。


アメリカ見聞録トップページへ

TOP

inserted by FC2 system