10月18日(水) アイゼンハワー小学校

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 三日目の午前は、ClearwaterにあるEisenhower Elementary Schoolを訪問しました。学校のマスコットになっているパンダが印象的でした。


出発前....

 テレビはいろんな情報を流してくれています。天気予報では、10月中旬にも関わらず最高気温が84度(摂氏29度ぐらい)、最低気温でも61-66度(摂氏16-19度ぐらい)でした。


 ハリケーンの被害が多いフロリダ州ですが、この時期も「マイケル」というハリケーンの行方を追っていました。風速75mph(マイル/時、秒速に直すと33m/秒)、これでもかなり弱まってきていたとのことですから、日本の台風よりもすごいものもありそうです。


 引き続き、学校給食を放送しているチャンネルがありました。日本では、学校で配られる献立表みたいなものです。


 よく朝ご飯を食べに行ったJulian's Steak Houseの内部です。外も薄暗いのですが、中はもっと暗く、スポットライトで新聞を読むのがやっとでした。もともとはバーとレストランが併設している店とのことで、内装にはものすごい高級感があります。


行きのバスの中から....そして到着

 朝の8:15ごろ出発した(到着は8:50ごろ)のですが、インターステート275号線から見るタンパ湾はこの日もとてもきれいでした。ちょうどラッシュアワーに重なりましたが、車線数の多い道路と、よく考えられた交差点のため、大きな渋滞はありませんでした。


学校の概要(メモから)ノートのコピーを送ってくださったN.Y.先生に感謝いたします。

 幼稚園〜5年生までの約860人の生徒が通う小学校です。必修教科は英語(読み書き)、社会、数学、理科、保健があります。もちろん、学業不振児や情緒障害児、言語を含む身体に障害を持つ児童なども受け入れています。

 英語を母国語としない、移民などの子供が100〜150人おり、そのような子供には通常の授業についていけるように、会話などの英語を教える特別の授業があるそうです。

 このPinellas Countyは、全米でも学力が高いと評判の地域のようで、学力向上を専門に担当する職員が存在するとのことです。生徒の学力によって予算が変わる、とのことなので、教える方も必死です。年に3回のフロリダ州標準テスト(ライティング、リーディング、算数)があり、出た結果のうちどの点が不足しているかを分析し、そこを集中して教えるのだそうです。なお、ライティング(作文)にはfocus(視点がずれないこと)、organization(文の構成)、そしてconvension(綴りや記号など)の3ポイントがあり、特に先の2つは重要視されるそうです。

 どこの学校でも昼食サービス(カフェテリアに行って食べる給食、1食分1ドル65セント)が行われていますが、貧しい家庭の子供には額を減免する、またはただにするという制度があり、食券みたいなものに親からサインをもらってくるそうです。この費用は、フロリダ州が負担しているようです。

 フロントオフィスという部屋があり、そこでは遅刻・欠席・具合の悪い生徒・問題を抱えた生徒のチェックをするそうです。例えば、遅刻してきた生徒はまっすぐフロントオフィスに行き、そこでもらった紙を持っていかないと授業の行われている教室には入れません。

 この学校のスクールバスは、自宅が学校から2マイル(3.2km)以上離れている子供が利用するとのことでした。

 この学校には現在、15人の車椅子の子供が通学していますが、職業人として生きていくために必要な知識を身につけさせる教育(料理・洗濯・ガーデニングなど)をしているとのことです。一部の授業や、一日中学校にいることは免除されるようです。この日は8人の子供と教師、それにセラピストがガーデニングをしていました。

 たまたま、教育実習生を見かけました。3レベルがあり、レベル1が2日間午前中のみ、レベル2が2日間全日、レベル3が16週間(4ヶ月!)なのだそうです。日本の2週間(私立大学)〜5週間(国立大学)さえ短く感じられました。

 授業参観は年度当初(9月)に1回だけ計画されていますが、予約さえすればいつでも参観できるそうです。


 入り口に、アメリカ教育省から認定された「優良学校」の表示が見えました。中にはいると、広い廊下の中ほどに歓迎のことばが書かれた看板がありました。とても広くて、気持ちよさそうな校舎です。


 廊下にはSelf Discipline(自己規律)として「友だちと遊ぶ前にピアノのレッスンをしました」、「怒ったときにも優しい言葉を使いました」、「机をきれいにしました」、「列を守りました」など、子供たちに守ってもらいたいことを書いたポスターが貼ってありました。また、事務室入り口のドアに職員用のフレックスタイムのスケジュールが書かれていました。教職員にフレックスタイムが存在する、ということでしょうか。


 カフェテリアの中にある調理場及び配膳室です。とてもいい匂いが漂っていました。配膳台の上には、もうじき訪れるハロウィンの飾り付けがしてありました。


 スーザン副校長が、ちょうど通りかかった体育の専門教師2人を紹介してくれました。科目によって専科をおくところは、日本の小学校と同じです。図書室には、かなりお年を召した女性がコンピュータを使って蔵書の管理をしていました。この方はボランティアとして学校のために活動なさっている人の一人で、フロリダ州に多い退職者や会社からの派遣要員を校長が捜して歩き、審査の上でボランティアとして採用することによって人件費を軽減しているのだそうです。日本の教育界が進むべき道の一つが示されています。


 校舎内はものすごく大きなオープンスペースを、ボードで区切って授業が行われていました。多分、これも生徒数の急増によって行った苦肉の策ではないかな、と思いました。生徒たちはものすごく集中して授業を受け、小学生にしてはおとなしすぎるな、とさえ感じられるぐらいでした。教室にはシールで示された学習達成状況のグラフが貼られていました。9月現在の、リーディングとライティングの結果です。右に行くほど能力があるということだそうです。ここに写っている子供たちが取り組んでいる内容を見ると、だいたい日本の中学3年生ぐらいのレベルかな、と思いました。


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