Desk Top Music |
DTM(Desktop Music)とは、「机上の音楽」つまりパソコン上で作曲や編曲をすることです。DTMソフトを使うと、五線譜にマウスで音符を貼り付け、楽器名を指定するだけでオーケストラでもなんでも作曲・編曲することができ、MIDIというファイル形式で曲作りができます。昔からMacintoshはDTMに適したパソコンなのだそうで、プロのミュージシャンにもMacユーザーが非常に多いのだそうです。
私が初めてDTMを始めたのは1994年8月、ローランドのミュージ郎Basicマルチメディアパックを買ったときでした。そのパックには、Balladeという作曲ソフトと編曲ソフト、ソフトだけでは音が鳴らないのでGeneral MIDI音源のSC-7(128音色)、そしてアンプ入りのスピーカーまでが同梱されていました。68Kシリーズのパソコン(LC575、PowerBook520c)でもきちんと動作しました。
その後、ヤマハのVisual AggangerやローランドのMusic Collageという編曲ソフト、Cubasis JやSinger Song Writer Liteなどの作曲・編曲ソフト、果てはマイクの前で歌を歌えばそれが音符になるAuto Score、スキャナで楽譜を取り込んだ画像データをMIDIデータにしてしまうスコアメーカーなどを次々に使いました。この頃はMacの方もPowerPC603(Performa5440、PowerBook1400cs)にパワーアップしましたが、OSのバージョンが上がるにつれて使えなくなったソフトも出てきて、悲しい思いをしました。
1999年にはGM音源に見切りをつけ、プロも使っていたといわれるSC-88ProというGS音源(1,117音色)を入手しました。とても音のいい音源でしたが、アマチュアにはとても使いこなせないほどの機能があり過ぎました。Macの方はPowerPC G3の時代を迎え(PowerBook G3/266、PerformaにもG3カードを増設)パソコン本体のCPUが速くなったので、VSC-88やXG Playerなどのバーチャル音源で事足りるようになったのでSC-88Proを売却し、Singer Song Writer 4.0を使用していました。
MacはOSがバージョンX(10)になったのですが、この環境ではこれまで使用してきたほとんどのDTMソフトが使えなくなってしまいました。Mac純正のGarage Bandはありますが、音符の張り付けによる作曲・編曲作業はできないようです。結局、Singer Song Writerのような、安くて使いやすい作曲・編曲ソフトが出てくるまで一休みです。
私が小学生のときの担任の先生は、私たちに作曲のしかたを教えてくれました。おかげで、中学3年の時には「岩手県児童生徒作詞作曲コンクール」で優秀賞(「みどりの町に」が課題詩)を、高校1年の時には佳作(「音もなく」が課題詩)をいただくことができました。そんな私が教師になったらやろうと思っていたのが「生徒に作曲をさせること」でした。鍵盤楽器がまるっきりダメな私にとって、マウスで音符を張りつけるだけで音が鳴らせるDTMはまさにうってつけでした。
中学校には「選択授業」というものがあります。以下に紹介するのは、私が担当した「作詞・作曲コース」を選択した生徒が、秋の文化祭で発表することを目的に作った曲です。
それぞれの曲名をクリックすればMIDIファイルが演奏されます。ブラウザのプラグインで一応音は出ると思います。「曲名.mp3」をクリックすればmp3ファイルが演奏されます(少し重いですが)。
Dream of the Sky(北上北中 O.Rさん)Dream of the Sky.mp3
Hold Me(北上北中 K.Nさん)Hold Me.mp3
A Stream(北上北中 F.S君)A Stream.mp3
Adventurer(北上北中 M.C君+T.F君)Adventurer.mp3
ピンクキャンディ(北上北中 C.Wさん+O.Yさん)ピンクキャンディ.mp3
Sun Flower(北上北中 S.Sさん+H.Kさん)Sun Flower.mp3
Twinkle Star(上野中 H.Kさん+K.Kさん)Twinkle Star.mp3
みどりの街に(中学3年時)みどりの街に.mp3 音もなく(高校1年時)音もなく.mp3
自分の学級を合唱コンクールで優勝させるにはどうしたらいいか、どの学級担任でも悩むことです。私の答えの一つがこれ。DTMができるのなら、それを使ってデモテープを作ってしまえばいいのです。DTMのすごさは、ソフトを使って音符さえ打ち込んでしまえばあとは速度も音色も自由に変更可能、おまけに合唱の各パート(チャンネル)を自由自在にON/OFFでき、なんとなればメトロノームも鳴らすことができる、という点にあります。作成に少し時間がかかるのが欠点らしい欠点ですが、楽譜を読めない人でもマウスで音符をぺたっと張りつけるぐらいはできるはずですね。