天体望遠鏡 Astronomical Telescopes

■現在、所有している機材

鏡筒・レンズ
R200SS(20cm f=800mm F4 ニュートン反射鏡) ビクセン
コレクターPH(f=760mm F3.8) エクステンダーPH(f=1120mm F5.6)
デュアルスピードフォーカサー ビクセン
GT-68(68mm f=600mm F8.8 アクロマート屈折鏡) ミザール
EF17-40mm F4 L USM Canon
EF70-300mm F4-5.6 L USM Canon
EF200mm F2.8L USM Canon
Samyang 14mm F2.8 Samyang
アイピース
8-24mm(φ31.7mm) セレストロン
Or-25mm(φ24.5mm) タカハシ
LV-10mm(φ31.7mm) ビクセン
LV-5mm(φ31.7mm) ビクセン
Hi-LE3.6mm(φ31.7mm) タカハシ
2倍バーローレンズ OEM品
Power Mate 5.0x テレビュー社

写真撮影関係

一眼デジカメ EOS 6D Mark2 Canon
CMOSカメラ ASI 183MC Pro(1インチ 2020万画素 CMOSカメラ) ZWO社
光害防止フィルター LPS-D1(48mm) IDAS社
200mm用バーティノフマスク
ASI AIR Plus ZWO社

架台関係

赤道儀 EM-11 Temma2Jr. タカハシ
自動導入装置 SkyFi 3 Simulation Curriculum社
オートガイダー M-GEN スーパーガイダー Lacerta社
ポータブル赤道儀 スカイメモS ケンコー・トキナー
スカイメモS用微動架台 ケンコー・トキナー
自由雲台 QHD-53 ベルボン
カーボン三脚 カルマーニュ540(三脚部のみ) Velbon

双眼鏡

防振双眼鏡 12x36 IS キヤノン


■テレビュー パワーメイト5.0X

 惑星を撮影する際に20cm鏡はF4、つまり焦点距離が800mmしかなく、CMOSカメラではPOI(視野を狭くして拡大率を稼ぐ方法)を使っても拡大率が不足していました。2倍バーローレンズでも試してみましたがまだまだ不足...というので、高価(メルカリで26,800円!)ながら入手した評判が大変いいパワーメイト。これで20cmF4鏡の焦点距離が4,000mm(F20)となり、ASI183だと10,900mmになります。視野が狭くなって導入が大変ですが、使うのが楽しみです。


■ミザール GT68

 知り合いから譲っていただいた憧れの(?)ミザール68mm屈折望遠鏡、60mm f420mmガイド鏡と入れ替える形で使い始めました。Fは8.8とちょっと暗めですが、昔のミザール屈折はとっても望遠鏡らしいフォルムを持っています。

 ガイド撮影というものがなくなり、オートガイダー、またはCMOSカメラのソフトの画像処理で自動的に位置合わせをするため、この望遠鏡は観望会用に使おうと思っています。


■IDAS LPS-D1フィルター

 ASI 183MC Proで長時間露光ができるようになったので、適合サイズの光害防止フィルターを定価の半額で落札しました。水銀灯やナトリウム等の輝線をカットし、その他天体からの光は極力透過するそう。旧製品LPS-P2に見られた赤かぶりも低減するとのこと。ただし干渉フィルターであることから、画角34°以内のレンズでしか使えないとか。


■ZWO ASI 183MC Pro

 MC585に変わる冷やし中華(冷却式CMOSカメラ)の533MC Proを使い続けようと思っていましたが、やはり900万画素の正方形では、3:2にトリミングしてA3ノビにすると160dpiになってしまい、写真にするには目一杯大きく撮影してなるべくトリミングせずに印字するか、面倒なステッチ合成を考える必要がありました。「やはり1コマで精細な画像がほしい」と思って探したら、見つかったのが183MC Proでした。ソニー製の内蔵CMOSは13.2mm×8.8mm(5496ドット×3672ドット)で、2020万画素を誇ります。

 光学系につけると、主鏡焦点距離の約2.7倍となります。不満な点が2つ、購入前から分かっていたとおり設計が少し古くてゼロアンプグロー回路がなくアンプノイズが出ること、また、DC5Vを繋がないとアプリがカメラを認識してくれないこと。 画素ピッチが小さいため感度が低めで、ラチチュードも狭いと思われるのも少し気にはかかりますが、明るいレンズと露出時間でカバーしながら、春が来たら系外星雲を撮りまくる予定。


■ZWO ASI533MC Pro

 初めてのCMOSカメラであるMC585、小型軽量で便利に使ってきましたが、さすがに長時間露光をかけるとノイズが出てきました。冷やし中華(中国製の冷却CMOSカメラ)が格安でメルカリに出品されているのを見つけ、すぐさま購入。1インチ(一辺11.3mm)正方形のCMOSで、900万画素です。

 正方形CMOSなので、縦とか横とかの構図に気を使わなくて済むのではないかと思います。その代わり3:2にトリミングすると、キスデジ級の600万画素、A3ノビでは160dpiになってしまいます。

 光学系につけると、やはり主鏡焦点距離の約3倍となります。気温より−20℃設定で撮影してみましたが、SharpCapではノイズが糸を引いたように写っておもしろくなかったので、そのうちZWO純正アプリで撮影してみようと思います。


■ZWO ASI AIR Plus

 CMOS天体カメラのデータをWi-Fiでタブレットに接続し、観望・撮影したり操作したりすることができる優れものです。赤道儀によっては自動ガイドや極軸の調整、果ては望遠鏡のオートフォーカサーも操作できるとのこと。新品で購入しましたが、オークション落札で保証がないのに、なんか電源部分の接触が悪いようでよく接続が切れるのが悩み。

 Windowsパソコンを屋外に持ち出せばいいだけなので、なんか将来は使わなくなっていきそうな予感。


■ZWO ASI585MC

 2022年8月に新品購入した初のCMOS天体専用カメラです。レンズもシャッターも絞りもモニターもなく、ただCMOS本体と制御基盤が内蔵されているだけ。2022年夏に新発売の1/1.2インチ(11.2mm×6.3mm)で、830万画素を誇ります。

 光学系につけると35mm版の3.2倍となり、14mmは45mm、70mmは225mm、300mmは964mm、800mmは2570mm、1120mmは3600mmになります。

 USB3.0経由でWindowsパソコンに接続し、動画・静止画の撮影はもちろん、電視観望やライブスタッキングもできるようになります。

 CanonのEF70-300mmLISに装着し、ファインダー代わりの6cmガイドスコープで自動導入しながら撮影しているときの様子です。


■エクステンダーPH

 R200SSの焦点距離800mmでは、特にフルサイズCCDでは系外星雲などがかなり小さく写り、拡大すると像が荒れてしまいがちです。そこで、コレクターPHにCanonのエクステンダーEF 1.4xを併用して撮影してみましたが、2021年5月の皆既月食の際に周辺減光がひどくなり、像もかなりぼやけ、鏡筒のバランスもすごく崩れることが判明しました。

 そこで、2021年5月にそれらを一気に解決できるエクステンダーPHを入手しました。これで、(やっぱり多少バランスは崩れますが)R200SSが1120mm F5.6(APS-Cでは1792mm)の超望遠レンズになります。


■Canon防振双眼鏡 12x36mm IS II

 Canonの防振双眼鏡、平成25年に入手してから使用してきたコンパクトな8倍25mm、ボタンを押すと手ぶれがピタッと止まり、細部がくっきり見えるようになり便利に使ってきました。もう少し対物レンズが大きくて高倍率の機種で、より手ぶれ効果を実感してみたいと思って2020年11月に入手したのが12x36mmです。II型ということで、最新のIII型より1世代古いのですが、定価の半額以下で入手でき、使用してみるとやはり8x25よりずっとパワフルでした。


■ダブルアリミゾ

 これまで使用していたアリミゾ台座(写真右)は、タカハシの赤道儀にアリガタレールを取り付ける際、締め付け部のネジ先がとんがっていて、アリミゾに傷がつきやすくなっていました。2020年11月に2つの金具でしっかり止められる品物(写真左)をオークションで発見し、すぐさま落札。R200SSでも安心してしっかり取り付けられるようになりました。


■セレストロン 8-24mmズームアイピース

 タカハシのHi-LE3.6mmを購入以来10年ぶりの、2020年10月に新しいアイピースを購入しました。たまたまオークションで新品未使用のズームアイピースが格安で出品されていたものです。かなり大きくて重量感たっぷりです。


■M-GENスーパーガイダー

 オートガイダーとして4年ほどSSAGを使用してきましたが、仕事でも使っているMacBook Proを屋外に持ち出してAC電源に接続し、さらにUSBケーブルで接続しなければならなかったので、どうしても大がかりになってしまっていました。また、MacBook Proをガイド用に使っている間はパソコンとして使えなかった不便さがありました。

 そんな理由から、高性能なスタンドアローンオートガイダーをずっと欲しいと思っていたところ、ついに2019年5月に新品より4万円以上安い落札価格で入手することができました。REREという中古品専門会社が出品者でしたが、以前落札したときと同様、ほぼ新品に近い品物が届きました。

 コントローラーの液晶が小さくドット数が少ないのと、表示すべてが英語なのが欠点と言えば欠点ですが、カメラの感度が高くレンズがF2.5と明るいので微動マウントなしでもガイド星を選べます。ガイド鏡のコンパクトさは格別で、撮影鏡本体に取り付けても使えそうな感じで、キャリブレーションも1分以下という短さです。電源もスマホ用の外部電源の5Vを昇圧して12Vにするケーブルがおまけとしてついていたので、すぐに使えました。これで2,000mm鏡までガイドできるそうです。


■バーティノフマスク

 長焦点で天体を撮影する際、ピント合わせはとても重要です。老眼になってきてカメラの液晶モニタでは拡大してもピントがあったかどうかを確認するのが困難になってきたので、鏡筒の前に被せて、ピント調節が正確にできる20cm用マスクを2019年1月に購入しました。右の写真は、マスクを装着してピントがあったときの状態です。ピント合わせが大変楽になりました。


■50mm8倍 90°正立ファインダー

 R200SSの純正ファインダーは30mmと口径が小さくてのぞきにくいことから、2019年1月にネットで見かけた正立ファインダーを購入してみました。純正ファインダーより3倍も明るく、とてものぞきやすくなりました。心配していたR200SSの台座にもきちんと載りましたが、使い慣れたファインダーに戻すこととして手放しました。


■コレクターPH

 2018年2月、中古品で入手してから12年を経過したR200SSのオーバーホール(主鏡・副鏡の鏡面清掃、光軸調整、接眼部調整)、主鏡セル交換、主鏡センターマーク貼付、ドロチューブ内艶消し再塗装を、2万円かけてメーカーにやってもらいました。さっそく天体を撮影してみたところ、直焦点でとてもきれいに撮れたので「いける!」と判断し、所有していたVISACと交換する形で思い切って新品購入しました。思ったより長さのある本体でしたが、周辺までくっきり写り、明るさもF4からF3.8とちょっぴり明るくなります。


■SkyFi 3(Wireless Telescope Controller)

 WindowsはもちろんMacでもiPadでも、さらにはiPhoneからでも、タカハシのTemma赤道儀をワイヤレスで操作できるという記事をネットで見つけたのも、EM-11に傾いた理由の一つです。うまく動作しない覚悟を決めながらも、2018年1月にミネアポリスの近くにあるSimulation Curriculum社のSkySafariProというアプリを購入してiPhoneにインストールし、同じ会社からSkyFi 3というワイヤレスコントローラを国際小包で取り寄せ、タカハシの高価な専用ケーブルも入手して接続したところ、見事に天体の自動導入が動作しました。

 iPhoneを操作して、赤道儀が250倍速で天体をセンタリングする様子を動画で撮影してみました。このとき、iPhoneとSkyFiはワイヤレス接続になっています。


■6台目の赤道儀(タカハシ EM-11 Temma2 Jr.)

 2005年末から12年間使用してきたEM-10USD、大変使い勝手がよく大事に使ってきましたが、バイザックで星雲などを撮影する際、F値が暗かったり星雲そのものが見えにくかったりして、カメラの視野に入れるだけで一苦労したことがありました。「やっぱり自動導入装置が必要」と思い、手持ちのEM-10をE-ZEUS IIかMTS-3に改造しようか、StarBook Tenが魅力的なビクセンのSXPにしようか、思い切って名機EM-200にしようかいろいろ迷っていました。

 結局、2017年12月末にオークションに出品されていた3台目のタカハシ製赤道儀を入手することになりました。EM-10の改良版なので、特に本体重量が変わらず(EM-200は16kg、SXPでも11kgもある...年を取ってくると持ち運びが辛い)、使い慣れているというのが一番の理由でした。入手してみて驚き!...ほとんど新品のような品物でした。

 24V電源を入手して動かしてみたところ、250倍速の高速駆動の速いこと速いこと(USDの50倍速、12Vの120倍速とはヤル気が全然違う)。これにSkyFi IIIというアメリカ製の部品を取り付け、iPhoneのアプリ経由で天体を自動導入できます。


■7台目の鏡筒(ビクセン VC200L バイザック)

 優秀な光学系を持つバイザックは10年以上前にも(二軸モーター付き赤道儀のおまけ的に)入手しましたが、焦点距離が長く、ファインダーもなかったので不便さを感じ、売却してしまいました。その後購入したR200SSは、観望会で使用する際、ニュートン反射鏡なのでどうしても接眼部が高いところに行きがちでした(小さい子どもが大変)。そこで、2017年3月にオークションにてバイザックの最新型が出品されていたので、格安で入手しました。5cmの明視野照明付きファインダー、0.71倍レデューサー(これで1,800mmF9.0が1,278mmF6.4になる)、開封して驚いたことには減速微動装置までついていました。鏡も新品同様でした。

 付いていた直焦アダプターとカメラマウントがニコン用だったのでキャノン用を入手し、フリップミラーやら、フリップミラーを付けるための60→50.8アダプターやら、拡大撮影アダプターやら、バランス用のR200SS鏡筒バンド1個やらを買い揃えましたが、35mm換算で2,044mmの焦点距離はガイドが大変であり、レデューサーは眼視では使えず(F9.0のまま)、R200SSと2本持ちで機材がごちゃごちゃしてきたため、思い切って一式手放しました。外見はかっこよかったんだけどなぁ...。


■ポータブル赤道儀セット

 仕事の帰りなどにものすごい星空になっているときに赤道儀がない悔しさ、それを解消するために常に車に積んでおけるポータブルセットをそろえました。ガイド鏡はなし、広角レンズで数分間の露出ができればいい、しかしナノトラッカーではD70+レンズは重すぎ、ポラリエは性能の割に値段が高いということで、2016年3月に購入したのがスカイメモS。昔と比べるとかなり小型で安くなっていました。これに、ベルボンの小型ながら4kgの機材が乗る自由雲台、そしてスリックのしっかりしたカーボン三脚724FL。これで、EM10のように本格的な赤道儀を持ち歩かなくても、思い立ったときに星空写真が撮れる環境になりました。

 カーボン三脚でもフリーストップでは極軸合わせが正確にできないので、後ほど専用微動架台を買い足し、数分間のノータッチガイドができるようになりました。


■タカハシ 減速微動装置 MEF-3

 ピントがシビアなフローライト鏡 SKY90で、より精密なピント合わせができるようになりました。黒いつまみを回せば、ドローチューブの動きが7分の1に減速されます。2015年6月にオークションで発見して落札したものです。SKY90を手放した際に付属品として手放しました。


■LPR-N(Light Pollution Redution-Nebula、光害防止)フィルター

 SKY90(フラットナーレデューサー併用で口径90mm F4.7)、R200SS(口径200mm F4)ともかなり強力な写真鏡ではありますが、東北本線沿いではどうしても市街光によって露出を長くすると全体が白っぽくなってしまいます。そこで、2015年6月に市街光を低減させるためのフィルターを入手しました。

 試写してみたところ、花巻市の市街光が約半分に減少していました(左はフィルターなしで15秒露出、右はフィルター装着で30秒。露出2倍でも同じぐらいのかぶり)。これで、思い切って露出時間を増やすことができました。

 ボディに合わせてKiss用、EOS D用と使用していましたが、カメラの感度が上がり、ソフト上で画像合成もできるようになったため、必要がなくなって手放しました。


■スターシュートオートガイダー

 SKY90(35mm換算f=650mm)、R200SS(同1,280mm)は私にとってとてもいい写真鏡ですが、さすがに500mm越えのガイドは神経がすり減ります。ずっとオートガイダーを経験してみたいと思ってはいましたが、高そう・難しそう・ケーブル多そうというので敬遠していた頃、たまたまオークションで出会った2014年11月初めに一発落札しました。

 ドライバも、Windows用に加えてMac OSX用が使えるのも最高でしたが、手持ちのMacBook Proを外に持ち出さなければならないのが不安でした。スタンドアロン型のM-GENオートガイダーを入手した代わりに、ドナドナしました。


■手ぶれ補正つき双眼鏡(Canon Binocular 8x25 IS)

 ちょっと防振双眼鏡に興味があり、2013年7月にオークションにて激安で「やってもーた」してしまいました(定価は驚くなかれ、55,000円!)。上部真ん中にある黒いボタンを押すと、視界がピタッと止まって、月のクレーターやら木星の衛星やら細かい部分をしっかり観察することができ、コンパクトで軽く使いやすい双眼鏡でした。2020年11月に、より強力な12倍36mmを入手したので手放しました。


■6台目の鏡筒(タカハシ SKY90)

 星雲星団を撮影するのに、カメラ用の望遠レンズでは、70-200mmF2.8のように重すぎたり短すぎたり、70-300mmF4-5.6のように暗すぎたり像が甘かったりします。R200SSは20cmF4という高性能鏡ながら35mm換算で1,280mmは長すぎてガイドミスが多発し、無理な設計のせいかコマ収差などもみられたため、高性能レンズを装備した短焦点屈折鏡として2010年5月にオークションで90mmF5.6(f=500mm)の2枚玉フローライト屈折鏡に出会いました。

 その後、専用のフラットナーレデューサー(407mmF4.5鏡になる)、カメラ回転装置、減速微動装置などをそろえて12年間使用してきましたが、高性能ながら焦点距離が中途半端で出番が減り、とても勿体なかったのですが2022年5月に手放しました。


■5台目の赤道儀(タカハシ EM-10 USD赤道儀)

 GP赤道儀は今ひとつ使い勝手が悪かったのと、極軸合わせの時間短縮およびガイド撮影の精度向上を目指して、2005年12月についにタカハシの赤道儀(P-2に続き2台目)を入手しました。オークションでの入手だったので、新品価格の半額以下で購入できました。EM-10そのものは決して新しいものではなかったのですが、USD付きなので50倍速で目的の天体を導入できるのは便利でした。USDからは電源がついてこないように仕様変更されたため、ビクセンのバッテリーケースで単1電池8本で動かしていました(実家で撮影する時は、100V電源から12Vで)。

 やっぱりタカハシの赤道儀、格好の良さや重量感はもちろんのこと、どんな体勢でもクランプに手が届き、あちこちがスムーズに回転するなど、P-2以来の使い勝手の良さに惚れ惚れしたものです。

 長焦点鏡で暗い星雲を撮影する際、カメラの写野に天体を導入するのに自動導入が必要となり、EM-11 Temma2Jr.を入手できたのをきっかけに、2018年1月にオークションでドナドナしました。出品したタイミングがよかったのか、12年も使用したのに入手価格より13,000円も高く売れました...大事に使っていてよかった。


■5台目の鏡筒(ビクセン R-200SSニュートン反射望遠鏡+GP赤道儀はそのまま)

 1,800mmもの焦点距離(Kiss-D直焦点の場合、それはなんと2,880mm相当となる)を持つバイザック鏡を手放し、2005年7月に800mmF4の明るさを誇るニュートン式の反射望遠鏡を入手しました。コマコレクターがついているので、コマ収差・球面収差などひどい収差からは開放されます。赤道儀より下の部分は、以前と同様です。

 星像そのものはバイザックより劣り、光軸修正もかなりたいへんで、いくらやっても恒星が縦に伸びたり横に伸びたりしていたのですが、レーザーコリメーターにて正確に光軸修正をしたところ、20cm鏡本来の性能を発揮するようになりました。2005年の火星大接近の際にも、表面の模様を眼視・写真の両方ではっきりと確認することができました。また、拡大時にはコマコレクターをはずした方がずっとよく写る(見える)ことを学習しました(考えてみれば当然のことでした)。

 4つの鏡筒を並べて記念撮影...。左からVISAC(20cmF9)、R200SS(20cmF4)、150SL(15cmF5)、高橋P型(6.5cmF7.7)です。並べてみるとなかなか壮観でした。


■4台目の天体望遠鏡(ビクセン VC200Lバイザック望遠鏡+GP赤道儀)

 ミザールの15cm反射についている赤道儀(RV-85)を自動化したかったのですが、製造中止から年月がたっていて、どうしても対応するモータードライブを入手できないことがわかりました(2002年に販売終了。オークションでもほとんど出回っていない)。パソコンなどとちがって天体望遠鏡は息の長い製品なので、うかうかしていると部品の方が先に発売終了になることがあります。

 やむを得ず赤道儀だけ他社製品に換装して自動化しようとしましたが、2004年9月にオークションにて20cmのカタディオプトリック式の鏡筒と赤経・赤緯2軸モータードライブがついた赤道儀のセットを譲っていただくことができました。一応これで自動化は可能になりました。ただ、VC200Lは焦点距離が長過ぎる(f=1800mm、F9)ので、レデューサーがないと辛いものがありました。ファインダーも付属しておらず、天体を視野内に入れるのにも一苦労。直焦点鏡としては暗すぎたので、F4の明るさを誇るR200SSを入手したのを期に、オークションで売却しました。

 光学系の優秀さ(天文ガイド2004年10月号で特集されている)からか、眼視ではかなりカッチリした星像を結び色収差も皆無でしたが、主鏡の焦点距離が長いためにK-40mmのアイピースでも45倍、Or-25mmでは72倍、LV-5mmではなんと360倍(こんな倍率は火星の観測ぐらいにしか使えません)にもなってしまっていました。


■3台目の天体望遠鏡(ミザール 150SL/RS20反射赤道儀)

 自分で給料を稼ぐようになってから、どうしても15cmクラスの大口径反射望遠鏡が欲しくなり、平成10年頃にミザール製の15cm反射赤道儀を14万円ほどで購入しました。150SLという鏡筒に内蔵された面精度1/20λを誇る放物鏡(D=15cm、f=750mm、F5)は、それまで使用していた6.5cmと比べて「見え過ぎる!」ほどよく見えました。M13が見事に「球状星団」らしく見えたのをはじめ、色収差のない月はまるで宇宙船から間近に見たように見え、2003年の火星大接近の際には、極冠や模様をはっきりととらえることもできました。

 「観望会などでの眼視用」と割り切ってモータードライブを購入しなかったのが残念ですが、赤道儀(RV-85)とアルミ三脚はかなり堅牢で、250倍(750mm+ETL-2+Or6mm)でも星像がぐらつくことはありませんでした。

 R200SSとEM-10USDを購入したので、一式すべてオークションにて売却しました。


■2台目の天体望遠鏡(タカハシ P-2型65mm屈折赤道儀)

 岩手大学天文部在籍中の1981年に、高橋製作所のP-2型65mm屈折赤道儀をアルバイトで貯めた13万円ほどで買いました。とてもコンパクトで、付属の木箱にすべて入れて持ち歩くことができました(重かったですが)。のちにHD-3という水晶発振制御のモータードライブを取り付け、ガイド用十字線入りのK-9mmもそろえて本格的な半自動ガイドで激写していました。この赤道儀、極軸望遠鏡が優秀で極軸がかなり正確に合ったので、モータードライブの精度を信じて完全自動ガイドで直焦点(セミアポクロマートD=65mm、f=500mm、F7.7)による撮影も行っていました。色収差は結構派手に残っていましたが、M13などはかなり分離して写っていました。就職して星から遠ざからざるを得なくなったのを機に、赤道儀・三脚とモータードライブ、後には鏡筒も星仲間にお譲りしました。

 一方、天文部の大内先輩から12cmの反射鏡(f=800mm)と斜鏡を安く譲っていただき、ドブソニアン望遠鏡らしきものを自作したのもこの頃です。この自作望遠鏡をP-2赤道儀に自作木製部品で取り付け、(65mmよりは)大口径で星雲星団の観望もけっこう楽しめました。


■初めての天体望遠鏡(ビクセン イカルスDX) 〜 半自動ガイドによる天体撮影まで

 1972年、小学校5年生の時、盛岡へ連れて行ってもらい、貯めていたお年玉で(欲しかったニューアポロではなく)そこの時計屋さんにあったビクセンのイカルスDXという屈折経緯台(D=60mm、f=910mm、F15.1)を、貯めていたお年玉から27,000円で買いました。この望遠鏡で初めて見たのは木星でした。木星本体に縞模様が2本、ガリレオ衛生が4つ見えた時のことは今でも覚えています。

 中学生の頃、ガイド撮影をしたくなったため、2万円のスリービーチ製赤道儀を購入しました。これでも中学生には大きな買い物でした。極軸望遠鏡もなく、本体そのものも結構貧弱でしたが、極軸合わせに1時間以上かけてがんばって使っていました。一眼レフカメラ(ペンタックスKXボディ)をバランスウエィト軸に取り付けるアダプタを揃え、これで一応手動ガイドができるようにはなりましたが、ガイド用アイピースは買えなかったのでクモの巣を使って十字線を自作し、豆電球と針金を使って明視野照明も自作しました。標準レンズのガイド許容量が木星の直径(40秒)の2倍であることを基本に、撮影するレンズによってガイド星をピンボケ(55mmレンズなら許容量が80秒角だから、木星の2個分とか)にして決めていました。しかもガイドエラーは写真の現像が終わってくるまで成否が分からない...今考えると、すごいことをしていたものです。

 後に、手動ガイドではなく自動ガイドをしたいと思い、ミザールのMMDという汎用モータードライブを購入しました。これで、夏でも蚊に刺されながら(冬はしもやけを我慢しながら)微動ハンドルを慎重に動かし続ける地獄から開放されました。しかし、赤道儀そのものの貧弱さに加え、極軸望遠鏡もなかったので据え付け精度も低く、モータードライブの不安定さも相まって撮影中は決してガイド星から目を離すことができませんでした。

 大学生の時にタカハシのP-2を購入したため、この望遠鏡は当時アルバイトしていた公文塾の中学生にあげました。

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